ゲーミングPCの電気代は一般のPCよりも高いと言われますが、本当でしょうか?本記事では、ゲーミングPCの消費電力と電気代について詳しく解説します。
記事を読めば、簡単に電気代を抑える方法や、コストを削減する長期的な戦略がわかります。電気代の不安が解消され、思う存分にゲームを楽しめるでしょう。
ゲーミングPCの消費電力
本章では、ゲーミングPCと一般PCの消費電力の違いを解説します。違いを理解することは、電気代の計算や節約をする上でとても重要です。
ゲーミングPCと一般PCの消費電力の違い
ゲームのグラフィックを表示するには負荷がかかります。ゲーミングPCに搭載される高性能なCPUやGPUには、多くの電力が必要です。一般PCと比べて電力の差は顕著です。ゲームプレイ時のピークには数倍まで達することもあります。
一般的PCで使用される電源ユニットが300〜500Wに対し、ゲーミングPCは500〜1,000W以上の電源ユニットが使用されます。性能を高めるためにオーバークロッキングを行うのも、消費電力が増える要因でしょう。
ゲーミングPCの電気代
ゲーミングPCの電気代に関して、次の2点を理解してください。
- スペック別の電気代
- プレイスタイルによる電気代
スペック別の電気代
ゲーミングPCのスペック別の消費電力は次のとおりです。
- 低スペック(CPU: i3、GPU: GTX 1050など):約100〜150W
- 中スペック(CPU: i5、GPU: GTX 1660など):約150〜250W
- 高スペック(CPU: i7/i9、GPU: RTX 2070/2080など):約250〜350W以上
各スペックのゲーミングPCを1日4時間使用すると、月額の電気代は次のようになります。
- 低スペック:約500〜800円
- 中スペック:約800〜1200円
- 高スペック:約1200〜2000円以上
以上は一例であり、実際は地域や電力会社の料金プランによって異なります。電気代の計算時はモニターや周辺機器の消費電力も考慮してください。
» ゲーミングPCのスペックの選び方
プレイスタイルによる電気代
ゲームのヘビーユーザーや、高負荷のゲームを好む方は電気代が高くなりがちです。オンラインゲームを長時間プレイする方は、さらに多くの電力が必要でしょう。一方短時間で軽いゲームを楽しむライトユーザーは、比較的電気代を抑えられます。
4K解像度や高リフレッシュレートが必要なゲームも消費電力が増加します。プレイの時間帯やセッションの間隔、持続時間も電気代に影響するでしょう。ゲームの間に休憩を挟み、セッションを短くすると無駄な電力消費が抑えられます。動画視聴やネットサーフィンなど、ゲーム外の消費電力にも注意してください。
ゲーミングPCの電気代を削減する方法
ゲーミングPCの電気代を削減する方法は、次の5つです。
- 省エネの電源ユニットを選ぶ
- 節電モードとスリープモードを活用する
- 明るさと解像度を設定する
- 発熱を防ぐ
- 電力会社やプランを見直す
省エネの電源ユニットを選ぶ
電源ユニットはPCの核であり、電力を効率的に供給する役割があります。良質なものを選べば、無駄な電力消費を抑え、長期的な電気代の節約につながります。電源ユニットを選ぶ際は、省エネの高さを示す80 PLUS認証を持つ製品がおすすめです。自分のPCの消費電力に対応する電源ユニットを選んでください。
節電モードとスリープモードを活用する
節電モードとは、PCの不要な電力を抑える機能です。パフォーマンスが低下しても問題のないゲーム時間外に活用しましょう。
スリープモードは、長時間PCを使用しない場合にPCを休止状態にし、消費電力を大幅に削減する機能です。画面のシャットダウン時間を短く設定し、バックグラウンドで動作しているアプリを終了させるのも有効です。
明るさと解像度を設定する
画面の明るさを少し下げるだけで、消費電力を削減できます。使用環境が明るいなら、画面を最大限に明るくする必要はありません。適切な明るさに設定し、電力消費を抑えましょう。
高解像度はグラフィックカードに大きな負担をかけ、電力消費の増加の原因になります。ゲームの解像度を調整し、省エネとのバランスを取ってください。
発熱を防ぐ
PCの温度が上がると、冷却ファンが多くの電力を消費します。PC内部を定期的に掃除し、良好なエアフローを維持することが大切です。CPUやGPUのオーバークロックを避ければ、無駄な発熱を減らせます。
高性能なファンや水冷システムの導入で発熱を抑えるのも有効です。サーマルグリースを塗り直せば熱伝導が効率化され、冷却性能が向上します。部屋の換気やPCの置き場所を工夫し、外部からの熱を防ぐのも大切です。
電力会社やプランを見直す
電力会社やプランの見直しは家計を助けるだけでなく、環境への配慮にもつながります。現在の電力会社と供給プランを確認し、電気料金の単価をチェックしましょう。他社の料金プランと比較し、ゲーミングPCの使用時間や消費電力に適したプランを選んでください。
昼より夜の使用が多い場合は、時間帯別プランの利用がおすすめです。節電効果のあるキャンペーンや割引サービスのある電力会社を選びましょう。環境に配慮したプランも検討してください。契約の際は、アンペア数の見直しや、変更時の初期費用や違約金の確認を必ず行いましょう。
ゲーミングPCの電気代に関する質問
ゲーミングPCの電気代に関する質問として、次の2つが挙げられます。
- 24時間つけたままでも大丈夫?
- ゲームの種類で消費電力は違う?
24時間つけたままでも大丈夫?
ゲーミングPCを24時間つけたままにするのは可能です。ただし、PCに大きな負担がかかるため、寿命が短くなる恐れがあります。PC稼働中に発する熱が蓄積すると、内部部品に損傷を与えるリスクが高まります。電気代も増加し、経済的負担も大きくなるでしょう。
» ゲーミングPCの寿命の延ばし方とメンテナンス方法
とはいえ、長時間の使用を前提に作られたゲーミングPCも存在します。定期的な清掃や通気性を確保すれば、問題なく長時間稼働できます。スリープモードや休止状態も上手く活用してください。
ゲームの種類で消費電力は違う?
ゲームのグラフィック値が高いほど、電力消費も増えます。3Dで複雑なレンダリングが必要なゲームや、動きが滑らかなゲームは、特に多くの電力が必要です。複雑な処理を要するマルチプレイのオンラインゲームも、電力消費が増える傾向にあります。
対して、グラフィックに依存しないカジュアルゲームやテキストベースのゲームは消費電力が低めです。消費電力はPCの設定によっても異なります。画面の解像度やグラフィック設定を下げると、電力消費を削減できます。
» ゲーミングPCの設定方法を完全解説
ゲーミングPCの電気代を下げるための環境設定
ゲーミングPCの電気代を下げるための環境設定は、以下の5つです。
- グラフィック設定の最適化
- フレームレートの設定調整
- 省電力モードの使用
- 自動シャットダウン設定
- バックグラウンドアプリケーションの制御
グラフィック設定の最適化
グラフィック設定の最適化は、ゲーミングPCの電気代を下げるために非常に効果的です。高いグラフィック設定はGPUに大きな負荷をかけ、多くの電力を消費するからです。
具体的な設定方法は、以下を参考にしてください。
- 解像度を下げる
- テクスチャ品質を「中」または「低」に設定する
- アンチエイリアシングを無効化または低設定にする
- シャドウ品質を「低」に設定する
- ポストプロセシング効果を減少させる
- フレームレート制限を設定する
- V-Syncをオフにする
グラフィック設定を最適化することで、PCの負荷を減らし、電力消費を抑えられます。
フレームレートの設定調整
フレームレートの設定を調整する方法も、ゲーミングPCの電気代を下げるのに有効です。フレームレートとは、1秒間に表示される画像の数を指し、この数値が高いほどPCの処理負荷が増加します。フレームレートを制限することで消費電力を減らすことができます。
フレームレートの設定を調整する方法は、以下のとおりです。
- フレームレートを60FPSに制限する
- 垂直同期(V-Sync)を有効にする
- アンチエイリアスの設定を低めにする
- フレームレートキャップを設定する
- ダイナミックフレームレート機能を利用する
- 適切なリフレッシュレートに設定する
- グラフィックカードの設定ソフトウェアでフレームレートを調整する
フレームレートの設定を見直すだけでも、PCの消費電力を効果的に減らせます。
省電力モードの使用
省電力モードを使用することで、バッテリ寿命を延ばしつつ電力消費を抑えられます。CPUやGPUの性能が抑えられ、全体的な消費電力が削減されるからです。特にゲーミングPCのような高性能なマシンで効果が高いです。
省電力モードの設定方法は、以下のとおりです。
- Windowsの電源オプションから省電力モードを選択する
- ゲーム内設定でグラフィック設定やフレームレートを調整する
- 不要なバックグラウンドアプリケーションを停止する
- BIOS設定で省電力機能を有効にする
一部のゲーミングPCは独自の省電力モードを搭載しており、さらに細かい設定ができる場合があります。自動シャットダウン設定と組み合わせると、より効果的です。
ただし、省電力モードを使用中は、一部のゲームやアプリケーションでパフォーマンスが低下する可能性があります。パフォーマンスが重要な場面では、省電力モードを一時的に解除することを検討してください。
省電力モードの利用は、電気代の削減だけでなく、環境保護にも役立ちます。
自動シャットダウン設定
自動シャットダウン設定を行うと、PCが使われていないときに自動的に電源が切れるため、電力の無駄を大幅に削減可能です。以下の手順で設定してください。
- スタートメニューから「設定」を選ぶ
- 「システム」をクリックする
- 「電源とスリープ」オプションを探し、設定する
- 「電源オプション」をさらに詳細に設定する
- 「電源プランの変更」を選び「詳細な電源設定の変更」をクリックする
- 「スリープ」設定から「スリープ後のシャットダウン時間」を指定する
- 「OK」ボタンをクリックして設定を保存します
使用していない時間の電力消費を抑えることができるため、電気代の節約に役立ちます。
バックグラウンドアプリケーションの制御
バックグラウンドアプリケーションの制御は、ゲーミングPCの電気代を下げるために重要です。バックグラウンドで動作するアプリケーションは、CPUやメモリを使用するため、電力消費が増加するからです。
電力消費を防ぐためには、不要なアプリケーションを終了し、起動時のバックグラウンドアプリを制限することが求められます。具体的な方法は、以下のとおりです。
- タスクマネージャーでリソースの使用状況を確認する
- アンチウイルスソフトのスケジュールスキャンを調整する
- Windows設定でバックグラウンドアプリの実行を制限する
- 不必要なスタートアッププログラムを無効化する
- バックグラウンドで動作するアップデートを停止する
- 定期的にシステムクリーニングを行う
上記の方法を実践することで、ゲーミングPCの効率的な運用が可能になります。
ゲーム中の電気代を抑えるための工夫
ゲーム中の電気代を抑えるための工夫として、次の3点が挙げられます。
- 適切な電力管理設定の利用
- ゲームプレイ時の省エネテクニック
- 電力消費を抑えるゲーム設定の工夫
適切な電力管理設定の利用
電力管理設定を適切に利用することで、ゲーミングPCの電気代を効果的に抑えられます。具体的な設定方法は、以下を参考にしてください。
- 電源オプションから「省電力プラン」を選択する
- 不要なハードウェアの電力をオフにする
- CPUの最大パフォーマンスを抑える設定をする
- ディスプレイの自動オフタイマーを短くする
- システムのスリープモードを有効にする
- ディスプレイの輝度を低く設定する
- 自動的に省電力モードに切り替わる設定を利用する
電力管理ソフトウェアで消費電力を監視すると、多くの電力を消費している部分を把握でき、より効果的な対策が可能です。
ゲームプレイ時の省エネテクニック
ゲームプレイ中に電力を節約する方法を、以下にまとめました。
- 画質設定を低めに設定する
- フレームレートを制限する
- V-Syncを有効化する
- 不要なエフェクトをオフにする
- 解像度を下げる
- サウンド設定を簡略化する
- モニターの明るさを調整する
- ゲーミングデバイスのLEDライトをオフにする
- 不要なプログラムを終了する
- スリープモードや休止状態を活用する
フレームレートは、60fpsに設定するのがおすすめです。
電力消費を抑えるゲーム設定の工夫
ゲーム設定を調整することで、電力消費が抑えられます。以下の設定が推奨されます。
- V-Syncをオンにする
- アンチエイリアスをオフにする
- シャドウや反射効果をオフにする
- テクスチャフィルタリングを低に設定する
- 範囲外オブジェクトの描画距離を短くする
- 不要なエフェクトをオフにする
電力消費を抑えるゲーム設定により、ゲームを快適に続けながらも電力消費を大幅に抑えることが可能です。
まとめ
PCの電気代を抑えるには、電源ユニット選び、節電モードやスリープモードの活用、画面設定の最適化が重要です。定期的なメンテナンスを行い、PCの発熱を防ぐのもポイントです。電力会社やプランの見直しも、長期的な電気代節約に役立ちます。
適切なゲーム選びやPC設定を行うのも、電気代を抑えるのに有効です。以上を参考に、ゲーミングライフを満喫してください。
» ゲーミングPCの相場と選び方